溶解平衡と金属イオンの分離・溶解度積
平成29年度 第1回 試行調査 化学
第2問 次の問い(問1 ~ 4)に答えよ。
問1 Cr3+とNi2+を含む強酸性水溶液に塩基を加えていくと,水酸化物の沈殿が生じる。このとき,次式の平衡が成立する。
Cr(OH)3 ⇄ Cr3+ + 3OH− Ksp = [Cr3+][OH−]3
Ni(OH)2 ⇄ Ni2+ + 2OH− K’sp = [Ni2+][OH−]2
この二つの溶解度積KspとK’spは水酸化物イオン濃度 [OH−] を含むので,沈殿が生じているときの水溶液中の金属イオン濃度はpHによって決まる。これらの関係は図1の直線で示される。次ページの問い(a・b)に答えよ。ただし,水溶液の温度は一定とする。
a Cr3+を含む強酸性水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えていき,pHが4になったとき,Cr(OH)3の沈殿が生じた。このとき水溶液中に含まれるCr3+の濃度として最も適当な数値を,次の①~⑨のうちから一つ選べ。
① 1.0×10–1 mol/L ② 1.0×10–2 mol/L ③ 1.0×10–3 mol/L
④ 1.0×10–4 mol/L ⑤ 1.0×10–5 mol/L ⑥ 1.0×10–6 mol/L
⑦ 1.0×10–7 mol/L ⑧ 1.0×10–8 mol/L ⑨ 1.0×100 mol/L
b Cr3+とNi2+を1.0×10–1 mol/L ずつ含む強酸性水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えて,Cr3+をCr(OH)3の沈殿として分離したい。ここでは,水溶液中の Cr3+の濃度が1.0×10–4 mol/L未満であり,しかもNi(OH)2が沈殿していないときに,Cr3+を分離できたものとする。そのためにはpHの範囲をどのようにすればよいか。有効数字2桁で次の形式で表すとき,
2 ~ 5 に当てはまる数字を,下の①~⓪のうちから一つずつ選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。なお,水酸化ナトリウム水溶液を加えても水溶液の体積は変化しないものとする。
2 . 3 <pH< 4 . 5
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5
⑥ 6 ⑦ 7 ⑧ 8 ⑨ 9 ⓪ 0
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